保育士の年収って、実際のところどのくらいなのでしょうか。
「低い」というイメージが強い一方で、ここ数年は国の施策で少しずつ上がってきています。
この記事では、厚生労働省などの最新の数字をもとに、平均年収や手取り、年齢・地域による違い、公立と私立の差、そして年収を上げる現実的な方法を、わかりやすくまとめてみます。
保育士の平均年収は約407万円(2024年データ)
厚生労働省の「令和6年賃金構造基本統計調査」によると、保育士の平均年収は約406万8,100円です。 内訳はこんな感じです。
- 月々の給与(決まって支給する額):約27万7,200円
- 年間の賞与など:約74万1,700円
この数字は全国平均で、平均年齢はだいたい39〜40歳前後、勤続年数は8〜9年くらいの人が多いデータです。
全産業の平均と比べるとまだ低めですが、2010年代前半にくらべると確実に上がってきています。
2025年度には人件費が約10.7%引き上げられ、2026年度もさらに5.3%程度の引き上げが予定されているなど、改善の動きは続いています。
「保育士の給料は低い」という声は今もよく聞きますが、数字だけを見ると「もう古いイメージ」になりつつある部分もあります。
特に女性全体の平均年収と比較すると、保育士の方が高いケースも少なくありません。
手取りはどのくらい?
額面の年収が約407万円だとしても、実際に手元に残るのは税金や社会保険料を引いた後です。
目安としては額面の約75〜80%くらい。
月給27〜28万円前後の場合、手取りはだいたい22万円前後になることが多いです。
ボーナスを含めた手取り年収だと、320万円前後がひとつの目安になります。
扶養の有無や住んでいる地域の税金、保険の加入状況で前後しますので、あくまで平均的な感覚として受け取ってください。
年齢別の平均年収
年齢が上がるにつれて、少しずつ年収も上がっていく傾向があります。
最新のデータからおおよその目安を挙げるとこんな感じです。
- 20〜24歳:約335万円前後
- 25〜29歳:約370万円前後
- 30〜34歳:約390万円前後
- 35〜39歳:約430万円前後
- 40〜44歳:約420万円前後
- 45〜49歳:約439万円前後
- 50〜54歳:約435万円前後
- 55〜59歳:約466万円前後
20代前半はまだ控えめですが、30代後半から40代にかけてしっかり上がり、50代後半がピークになることが多いです。
経験年数が長くなるほど基本給や手当が積み重なるからですね。
たとえば、新人の頃は月給22〜24万円くらいからスタートして、10年近く経つと月給27万円台に乗る、というイメージです。
地域別でどれくらい違う?
住んでいる場所によっても差が出ます。
都市部や需要の高い地域の方が高めになる傾向があります。
たとえば、
- 東京都や神奈川県、千葉県、京都府あたりは平均年収が440万円前後〜それ以上になるケースが多い
- 一方で一部の地方では360万円前後にとどまるところもあります
同じ県内でも、区や市によって自治体の上乗せ補助が違うので、細かく見るとさらにバラつきがあります。
「都会の方が絶対高い」わけではなく、自治体の取り組み次第で地方でも意外と良い条件のところもある、というのが実情です。
公立と私立で年収は違う?
ここが気になる人も多いポイントです。
こども家庭庁の調査などによると、常勤の保育士で
- 公立保育園:想定年収約436万円前後
- 私立保育園:想定年収約410万円前後
という差があります。 一般の保育士だと月1〜2万円程度の差ですが、主任や園長になると差がもっと大きくなる傾向があります。
公立の方が公務員に近い待遇で、昇給や退職金が安定しているイメージですね。
ただし、私立でも処遇改善をしっかり配分している園や、住宅手当・賞与が厚い園だと、公立を上回るケースもあります。
「公立=絶対高い」ではなく、園ごとの差が大きいのが私立の特徴です。
年収をアップさせる現実的な方法
数字を見て「もっと上げたい」と思ったときの選択肢を、いくつか挙げてみます。
- キャリアアップ研修を受けて役職手当をもらう 職務分野別リーダーや専門リーダー、副主任保育士などの役職につくと、月5,000円〜最大4万円程度の手当がつく仕組みがあります。今の職場でできる方法として取り組みやすいです。
- 待遇の良い園に転職する 賞与の月数や住宅手当、処遇改善の配分をしっかり確認して、条件の良い園を選ぶ。実際に「地方から都市部の認可園に移って年収が80万円近く上がった」という例もあります。
- 公立保育園を目指す 採用試験はありますが、長く勤めるほど安定して上がりやすいです。
- 資格をプラスする リトミックや絵本関連、ベビーシッターなどの資格を取って、園内での評価や手当につなげる人もいます。
- 役職を目指す 主任や園長になると年収が大きく跳ね上がるケースが多いです。経験を積んでからチャレンジする人も少なくありません。
「今の園で処遇改善がちゃんと届いているか」をまず給与明細で確認するのも、すぐできる一歩です。
まとめ:数字は上がっているが、園選びが大切
保育士の平均年収は約407万円(手取りだと月22万円前後が目安)。
年齢や地域、公立・私立で差があり、50代後半でピークを迎える人が多いです。
国の処遇改善で数字は着実に上がってきていますが、実際に手元にいくら残るかは「どの園で働くか」に大きく左右されます。
「給料が低い」というイメージだけで決めつけず、最新の数字と自分の希望を照らし合わせて、少しずつ条件を整えていくのが現実的だと思います。
気になる園があったら、賞与や手当の内訳をきちんと確認してみてください。
子どもたちと向き合う仕事だからこそ、自分自身の生活も大切にしながら続けていける環境を選んでいきたいですね。



